注文住宅の火災保険は早めのチェックが大切
様々な自然災害が危惧される今、
火災保険のバリエーションはかなり豊富になってきています。
『火災保険』という名称ではありますが、
その内容は、決して火災にとどまらず
台風や雪災など多くの被害をカバーしてくれます。
本来ならば、地域や状況に合わせて
補償内容をチョイスするのが理想でしょう。
しかし、火災保険に加入するタイミングである住宅購入時に、
火災保険の詳細をチェックするのは難しいです。
注文住宅を建てるときは打ち合わせや住宅ローン、
各種手続きに忙殺されてしまい、
保険会社に言われるがままに加入してしまう方がほとんどでしょう。
いざ加入の際は、
この火災保険がいいのか、そうでないのか。
割安なのか、そうでないのか。
吟味しきれないことが予想されます。
早い段階から火災保険のイメージをつかめるよう
保険料の目安をご紹介します。
広範囲に及ぶ火災保険の実力
火災保険は、建物と家財は別個の補償となります。
また、賃貸の場合は、建物の保険は大家さんが加入するため、
賃貸人は家財保険に加入することとなりますし、
事業を営んでいる人は事業用火災保険を利用します。
事業用火災保険なら商品や設備、
什器なども対象とすることが可能です。
このように、加入形態も幅広くなっています。
■火災保険は地震保険の基礎にもなる
地震大国日本において、
地震保険の役割が重要なことは言うまでもありませんが、
その地震保険に加入するためには、
基礎として火災保険に加入する必要があります。
補償範囲が広いことからも、
火災保険は火災に限らず「災害全般に対応するもの」
という認識が正しいかもしれません。
ただし、災害のうち地震に関しては
被害規模が大きい傾向にあるため、
火災保険でカバーするのではなく、
別途上乗せ加入することが求められることが多いです。
火災保険の必要性
災害が対象ならば、
預貯金や公的な支援で賄えるのではないか?
という意見もあるかもしれません。
確かに災害時には、
災害弔慰金や災害傷害見舞金など生活資金のほか、
被災者生活再建支援制度といった住宅に関する給付もあります。
しかし要件が厳しかったり、給付額が少額であっることが多く、
あくまで再建の足掛かりとしての役割を担うと言えます。
足りない部分を預貯金で用意する手もありますが、
対象が住宅であるときは必要額は何千万円単位に上ります。
やはり災害への備え、とくに住宅については
火災保険を利用するのが現実的ではないでしょうか。
幸か不幸か、最近の戸建住宅は、
なまじ耐震性能が高いために、住宅の損害が認められず、
全額自己負担という事例も多いです。
いざという時の為に、適用範囲の広い保険や、
複数の保険に加入してカバーしておきましょう。
火災保険料はどのくらいなのか
火災保険は災害をカバーするため、
建物の強度や地域によって保険料が異なります。
一般的に、頑丈なつくりのマンションの方が、
一戸建てに比べ保険料が安くなります。
ここでは、より費用が高めの一戸建の火災保険料額について、
事例ごとに見ていきたいと思います。
なお支払い方法は1年ごとの支払い、
一括払いタイプなど複数あります。
また契約期間によっても異なります。
長期契約を一括で支払うのが割安ですが、
ここでは比較のしやすさを優先し1年一括払いとします。
【補償内容は以下で共通とします】
- 火災・落雷(落雷による家電の被害など)
- 破裂・爆発(ガス漏れなど)
- 風災・ひょう災・雪災・水災
- 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突(自動車が自宅に衝突、など)
- 漏水などによる水濡れ(給水管の破損による損傷など)
- 盗難による盗取・損傷・汚損
- 騒擾(そうじょう)・集団行動等に伴う暴力行為(近隣の暴力行為で自宅の塀が破損するなど)
- 家財保険あり(金額1,000万円)
- 地震保険あり
この事例の補償は、
自然災害や盗難による損害を網羅する保険となっています。
災害に強い一方、日常生活の思いもよらぬ事故による
破損・汚損などの補償はないタイプです。
地域・構造ごとの火災保険料目安
【千葉県60平米一戸建ての場合】
・耐火構造の場合 年払保険料:49,000円
・耐火構造でない場合 年払保険料:78,000円
【青森県70平米一戸建ての場合】
・耐火構造の場合 年払保険料:40,000円
・耐火構造でない場合 年払保険料:79,000円
【京都県60平米一戸建ての場合】
・耐火構造の場合 年払保険料:30,000円
・耐火構造でない場合 年払保険料:53,000円
【長崎県70平米一戸建ての場合】
・耐火構造の場合 年払保険料:43,000円
・耐火構造でない場合 年払い保険料:86,000円
※保険料は、大手損害保険会社の保険料を参考にしています。
会社や種類ごとに保険料や商品内容は異なるため、目安としてご覧下さい。
比較してみると、
構造や地域で保険料が大きく異なることがわかります。
また、ここでは補償内容は均一としましたが、
もっとシンプルなタイプ、逆にもっと手厚いタイプも存在します。
構造や地域である程度保険料が決まっている部分は、
個人では動かしようがありません。
その場合、補償内容で保険料を調節することになるでしょう。
住宅購入時は火災保険の内容や
保険料を精査するのは難しいかもしれませんが、
大事な家と家族のための補償です。
できるだけ早い段階で、
「このくらいの補償内容だったらこのくらいのお値段」
ということを把握しておき、
家計の許す限り、手厚い補償がえられる火災保険の加入をおすすめします。
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